ZipMakerの使用手引 ver.6.3.6

はじめに

ZipMakerは、特定のフォルダーの特定のファイルのみを選択してzipアーカイブファイルを作成するプログラムです。
アーカイブするファイルの指定は、アーカイブ定義としてデータベースファイルに保存されます。
アーカイブするファイルは簡単な操作で指定できます。

作業の成果物を顧客に納品する場合、作業フォルダーの特定のフォルダーとファイルのみを抽出する必要があります。
このような場合、一旦、アーカイブ定義を作成しておけば、いつでも簡単に納品物件が何度でも作成できます。
また、バックアップファイルを作成する場合にも使用できます。

ZipMaker使用の有利性
近年バックアップは、複数の媒体にバックアップを作成することが推奨されています。
また、バックアップの履歴を作成するように強く推奨されています。
特に重要なデータは複数の媒体へのバックアップ作成と、一定期間の履歴の作成が安全上重要です。
クラウド上にバックアップファイルを転送する場合は、ファイルを一つにまとめ、 不要なファイル(再現可能なファイル)を除いてアーカイブすることが有利になります。
このように複数媒体へのバックアップの作成、並びにバックアップの履歴作成がZipMakerを使用すれば簡単に実行できます。
巨大なファイルは、圧縮せずにコピーする機能もあります。

機能

ZipMakerには以下の機能があります。

  1. 視覚的操作により特定のフォルダーの特定のファイルのみをzipアーカイブファイルに保存することができます。
    設定はデータベースファイル(アーカイブ定義)に保存できます。
  2. 簡単なフォーマットで、アーカイブ対象を設定できます。 たとえば、オブジェクトファイルをアーカイブ対象から除外したい場合は、*.obj をパターンに指定すれば、対象から除外できます。
    同様に、ファイルの拡張子を指定したファイルのみを対象に設定することもできます。
    また、指定フォルダの全サブフォルダをアーカイブ対象から除外することができます。
  3. アーカイブ定義を保存するデータベースファイルは、任意に設定作成できます。
    目的に応じたデータベースファイルを複数作成できます。
    データベースファイルは、ZipMakerに関連付けられているのでエクスプローラでデータベースファイルをダブルクリックしてZipMakerを起動することができます。
  4. アーカイブメディアは、zipファイルと単なるフォルダのコピーを選択できます。
    zipファイルの場合は、指定したアーカイブフォルダにzipファイルが作成されます。
    フォルダのコピーの場合は、指定したアーカイブフォルダに対象フォルダがコピーされます。
  5. データベースファイルには複数のアーカイブ定義を登録できます。

ZipMakerの概念図
ZipMakerの概念図

【注釈】データベースファイル(DBファイル)
複数のアーカイブ定義を保存・管理するファイルです。
【注釈】アーカイブ定義
アーカイブ対象ファイルを指示する情報です。

画面構成

ZipMakerは、左右二つのページから成り立っています。
左のページは、アーカイブ定義ページ
右のページは、それぞれのアーカイブ定義の対象フォルダーのツリー構造です。
アーカイブ作成を実行すると、それぞれのアーカイブ定義に設定された媒体にアーカイブが作成されます。

ZipMakerのメインページ
ZipMakerのメインページ
アーカイブ対象外のフォルダーは半透明で表示されます。(.vs, bin, obj)

【注釈】アーカイブエントリ
アーカイブエントリとは、アーカイブ対象フォルダーのことです。
アーカイブエントリに対象ファイルから除外するファイルを設定することができます。

アーカイブ定義ページ

アーカイブ定義の一覧を表示します。
アーカイブ定義の新規登録、編集、削除します。
アーカイブ定義に従って、対象フォルダのアーカイブを作成します。

表 コマンド
コマンド 処理内容
playアーカイブ作成 定期アーカイブに設定されているアーカイブを実行します。
play solidアーカイブ作成 選択されたアーカイブを実行します。
add追加 新規にアーカイブ定義を追加します。
edit編集 アーカイブ定義を編集します。
delete削除 アーカイブ定義を削除します。
monitor表示 アーカイブをExplorerで表示します。

アーカイブ定義の登録・編集

アーカイブ定義を管理します。

表 アーカイブ定義項目
項目 内容
名前 アーカイブ定義の名前を設定します。
アーカイブ先がフォルダーの場合は、名前をブランクに設定できます。
アーカイブ先のフォルダー アーカイブメディアを作成するフォルダを設定します。
Explorからアーカイブ先のフォルダーをDrag & Dropで設定することもできます。
定期アーカイブ 定期アーカイブ実行で作成されるアーカイブに設定する。
定期アーカイブの実行はすべてのアーカイブ作成が並列で実行されます。
zipファイルにアーカイブ アーカイブメディアをzipファイルかフォルダを選択します。
フォルダを選択した場合は、圧縮されずにファイルがコピーされます。
ファイル容量が大きい場合は、フォルダを選択してください。
バックアップの種類
zipファイルの作成
常にzipファイルを作成しなおします。
顧客への提出物件などの場合は、古いファイルがzipファイルに残らないので便利です。
履歴を残す
アーカイブした日付がzipファイル名に付加されます。
アーカイブの履歴を残したい場合に便利です。
更新
zipファイル内のファイルと対象ファイルのタイムスタンプを比較して必要なファイルのみ置換します。
アーカイブ時間が節約できます。
圧縮レベル zipアーカイブの圧縮度を指定します。

Drag & Dropの方法
Explorerでアーカイブ先のフォルダーをマウスの左ボタンを押下して選択します。
左ボタンを押した状態で、マウスを”アーカイブ先のフォルダー”の入力領域まで移動します。
マウスの状態が変更されたら左ボタンを開放します。

アーカイブ定義画面
アーカイブ定義画面

アーカイブの作成

play定期アーカイブ”を実行した場合は、定期アーカイブが設定されている全アーカイブを同時に実行します。

アーカイブ開始
アーカイブ開始
アーカイブ終了
アーカイブ終了

アーカイブ対象フォルダーページ

現在選択されているアーカイブ定義のアーカイブ対象フォルダーを設定します。
対象はフォルダー単位で設定できます。
それぞれのフォルダーでアーカイブしないファイルを設定できます。

対象フォルダーが先頭に表示され、そのフォルダの下位フォルダーがその下に表示されます。
先頭のフォルダーをアーカイブエントリと呼びます。
設定の編集は、アーカイブエントリのみです。

表 コマンド
コマンド 処理内容
add追加 新規に対象フォルダーを追加します。
edit編集 対象ファイルの除外パターンを設定します。
delete削除 対象フォルダーを削除します。
monitor表示 対象フォルダーをExplorerで表示します。

対象フォルダーの追加・編集

アーカイブ対象のフォルダーを指定します。

表 対象フォルダー設定項目
項目 内容
名前 対象フォルダのアーカイブメディアでのルート名です。
変更可能です。
一般には、対象フォルダ名です。
アーカイブメディアでは、ルート名の下に下位フォルダーが作成されます。
名前が空欄の場合は、アーカイブメディアに直に対象ファイルが記録されます。
対象フォルダー 対象フォルダパスです。
除外パターン アーカイブ対象から除外するファイルを指定します。
アーカイブエントリで設定した、除外パターンはその全下位フォルダーに適用されます。

(1)アーカイブ対象フォルダーの設定方法

  • アーカイブ対象の編集画面で設定
    アーカイブ対象フォルダーのパスを入力します。
    Explorerから目的のフォルダーを入力領域にDrag & Dropしても設定できます。
  • Drag & Dropの方法
    Explorerでアーカイブ対象フォルダーをマウスの左ボタンを押下して選択します。
    左ボタンを押した状態で、マウスを”アーカイブ対象フォルダーページ”の領域まで移動します。
    マウスの状態が変更されたら左ボタンを開放します。

(2)除外パターン
パターンに一致したファイルはアーカイブ対象から除外されます。
フォーマットは、Gitの”.gitignore”ファイルと同様です。
パターンは1行単位で入力します。

folder/
フォルダ名が一致するサブフォルダの全ファイルが対象から除外されます。
folder/**
フォルダ名が一致するサブフォルダ以下の全サブフォルダのファイルが対象から除外されます。
/folder/
先頭に'/'が存在する場合は、対象フォルダからの相対位置に固定されます。
例えば、対象フォルダが、c:/source/project1の場合、
パターン/document/は、
c:/source/project1/documentフォルダの全ファイルが対象から除外されます。
c:/source/project1/temp/documentには、摘要されません。
!folder/
先頭に'!’が存在する場合は、対象に組み込まれます。
例えば、
/document/**
!/document/*.pdf
この場合、documentフォルダのPDFファイルのみをアーカイブします。
ファイルパターン
*.obj
folder/*.exe
このようなパターンは、ファイル名のパターンに適用されます。

【注意】パターンの文字列は、大文字・小文字を区別しません。

    -例-
    obj/**
    VS2019 Image Library/**
    VS2019 Image Library.zip
           
対象フォルダーの設定
対象フォルダーの設定

処理手順

ZipMaker起動後、DBファイルを作成しzipアーカイブファイル作成まで順を追って説明します。

  1. DBファイルの作成
    DBファイルは、どこのフォルダにでも作成できます。
    インストール直後DBファイルは、ドキュメントフォルダーに作成されます。
  2. アーカイブ定義の登録
    アーカイブ定義ページで、”add追加”ボタンを押下します。
    アーカイブ定義を入力します。
  3. バックアップ対象の設定
    アーカイブ対象フォルダーページで、”add追加”ボタンを押下します。
    対象フォルダーを設定します。
    対象フォルダーはExplorerからDrag & Dropでも設定できます。
  4. 対象ファイルの詳細設定
    zipアーカイブファイルにコピーするフォルダー・ファイルを詳細に設定する場合は、”除外パターン”を設定します。
  5. ここまでの設定は、アーカイブ条件を変更しない限り次回からは操作する必要はありません。
  6. zipアーカイブファイルの作成
    play定期アーカイブ”ボタンを押下するとアーカイブが開始されます。
  7. 定期アーカイブ
    次回からは、アーカイブを実行するだけです。

アーカイブ作成例

具体的な使用例を以下の図に示します。

アーカイブ定義の設定
①アーカイブ定義の設定
アーカイブ対象フォルダーの設定
②アーカイブ対象フォルダーの設定
再現可能なリソースは対象から除外する。
アーカイブ設定完了
③アーカイブ設定完了
アーカイブの設定が終了したのでアーカイブを作成します。
アーカイブ作成完了
④アーカイブ作成完了
作成されたアーカイブ
⑤作成されたアーカイブ
再現可能なリソースはアーカイブされていません。

制限事項

ご意見

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